
住宅取得資金の贈与税非課税制度とは?利用条件やメリットも解説
住宅取得資金を親や祖父母などから援助してもらう際、「贈与税はかかるのか」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。実は、一定の条件を満たせば、住宅購入のための資金援助を受けても贈与税が非課税となる特例があります。この記事では、住宅取得資金の贈与に関する非課税制度の概要や手続き、注意点を分かりやすく解説します。大切なご家族と安心して住宅取得を目指すために、ぜひご参考ください。
住宅取得資金の贈与税非課税制度の概要
住宅取得資金の贈与税非課税制度とは、親や祖父母などの直系尊属から住宅取得のための資金をもらった場合、一定額までは贈与税がかからない制度です。この制度は、住宅を新築・取得・増改築する際に必要な資金を援助した場合に使える特例で、適用には一定の条件があります。例えば、贈与を受ける人が受贈者としての年齢要件を満たし、住宅が受贈者の居住用であることなどが求められます。また、制度の適用期限は令和八年(2026年)十二月三十一日まで延長されています。
| ポイント | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 非課税対象者 | 父母・祖父母など直系尊属からの贈与 | 受贈者が18歳以上などの要件あり |
| 適用期限 | 令和八年(2026年)十二月三十一日まで | 税制改正により延長 |
| 対象用途 | 住宅の新築・取得・増改築等 | 用途を証明する書類が必要 |
これにより、一般の住宅でも有用な資金援助を受ける際に、贈与税の負担を抑えることが可能です。ただし、制度の適用には各種の条件や証明書の提出などが必要ですので、事前にしっかり確認することが重要です。
非課税となる金額と住宅の要件
直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合、以下の金額まで贈与税が非課税となります。
| 住宅の種類 | 非課税限度額 |
|---|---|
| 省エネ等住宅(質の高い住宅) | 1,000万円 |
| その他の住宅(一般的な住宅) | 500万円 |
「省エネ等住宅」とは、次のいずれかの要件を満たす住宅を指します:
- 断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上
- 耐震等級2以上または免震建築物
- 高齢者等配慮対策等級3以上(バリアフリー性能)
なお、令和4年度以前は断熱性能等級4以上または一次エネルギー等級4以上でも省エネ等住宅と見なされていましたが、令和6年度以降は基準が引き上げられています。ただし、令和5年12月31日以前に建築確認を受けた住宅や、令和6年6月30日までに建築された住宅であれば、従前の基準でも「省エネ等住宅」として認められる経過措置があります。
また、非課税制度を利用するには以下のような条件があります。
- 床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下で、その半分以上が受贈者の居住用であること
- 受贈者の年齢が贈与を受けた年の1月1日に18歳以上であること
- 受贈者のその年の合計所得金額が2,000万円以下(床面積が40~50平方メートルの場合は1,000万円以下)であること
- 令和8年12月31日までに贈与が行われることが必要です。
これらの要件を満たせば、性能の高い住宅では最大1,000万円、一般住宅でも500万円までの贈与が非課税になります。
(文字数:578字)制度の利用手順と注意事項
直系尊属から住宅取得資金の贈与を受ける場合、贈与をした年の翌年2月1日から3月15日までに、所轄の税務署へ「贈与税の申告書」と非課税特例を受ける旨を記載した書類を提出しなければなりません。また、戸籍謄本や契約書の写しなど、要件を証明する書類も添付する必要があります。
| 手続項目 | 期限 | 必要書類例 |
|---|---|---|
| 贈与税申告 | 翌年2月1日~3月15日 | 申告書、戸籍謄本、契約書写しなど |
| 救済措置利用 | 居住が遅れる場合に同じく申告期限内 | 棟上げ証明書や入居確約書など |
| 修正申告 | 適用不可の場合は原則翌年末以降 | 修正申告書と税額 |
なお、贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住開始できない場合には、居住の見込みが確実であると認められれば、最終的に同年12月31日までの入居で特例適用の救済措置が認められます。ただし、この場合も申告期限内にその旨を示す書類を添付して申告しなければなりません。
また、受贈者の要件として、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること、贈与を受けた年の合計所得金額が例えば2,000万円以下であること、そして受贈者自身が住宅の建物に居住する予定であることなどが求められます。
住宅の要件にも注意が必要です。床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下で、そのうち半分以上が受贈者の居住用であること、登記事項証明書に受贈者の持分が登記されていることなどが求められます。
制度の活用で期待できる効果と併用制度の紹介
住宅取得資金を直系尊属から贈与して非課税となる制度を活用することで、まず挙げられる効果は、贈与税の負担を大幅に軽減できる点です。たとえば、省エネ等住宅であれば最大1000万円、その他の住宅でも最大500万円までの贈与について贈与税が非課税となり、なおかつ基礎控除(年間110万円)とも併用できます(※住宅取得資金の贈与税非課税制度)。
さらに効果を高めるためには、住宅ローン控除(所得税・住民税の控除制度)などのほかの税制優遇制度との併用を検討されるとよいです。住宅ローン控除は、年末時点のローン残高等の条件を満たせば最大13年にわたり控除が受けられます。贈与税非課税制度と併用することも可能ですが、控除対象額の計算では「住宅取得等の対価額から非課税による贈与額を除いた金額」か「年末のローン残高」、いずれか少ない方が基準になります。
制度適用にあたっては、専門家への相談も安心です。税務や制度について不明点がある場合、司法書士や税理士、宅地建物取引士などの専門資格者に確認していただくことで、確実かつ安全な制度利用が可能になります。また、確定申告や控除手続きのきめ細かいルールの確認にもつながり、ミスによる追徴課税リスクも軽減できます。
以下は、この見出しで述べた事項を整理した表です。
| 項目 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 贈与税非課税制度 | 省エネ等住宅:最大1000万円、一般住宅:最大500万円(基礎控除併用可) | 贈与税負担の軽減 |
| 住宅ローン控除 | ローン残高または取得対価-非課税贈与額のいずれか少ない方を基準に控除 | 所得税/住民税の軽減 |
| 専門家への相談 | 制度要件や申告手続きの確認、リスク回避 | 安心・安全な活用 |
まとめ
住宅取得資金の贈与税非課税制度は、家族から住まい取得資金を受ける際、大きな税負担を避けられる有用な制度です。特に、省エネ等住宅では非課税枠がさらに広がり、将来を見据えた住まい作りに役立ちます。利用には受贈者の年齢や所得、住宅要件など複数の条件を満たす必要があり、手続きや期限を守ることが重要です。また、住宅ローン控除などの制度と併用することで一層の経済的メリットが期待できます。安心して制度を活用するためにも、早めに専門家へ相談しましょう。